アメリカ留学した研究室のボス(Paul Greengard, professor)が、本年4月に他界されました。
神経伝達物質と、細胞内情報伝達を先駆けて解明され、その後、精神疾患の理解、精神医学研究の発展に繋がりる多大な貢献から、2000年ノーベル医学生理学賞を受賞された凄い先生でした。私は、幸運にも、その研究室に一時在籍していました。誰とでも、ファーストネームで呼び合う、フラットな関係のアメリカ文化は新鮮で、同僚にも恵まれ、楽しい時間を過ごしました。結果的には、研究では大きな成果が得られず、最後まで英語も上達しないまま帰国しましたが、温かくサポートして頂いたボス、同僚に感謝しております。研究者として、成功を収めている多くの教え子の中で、研究の道に残れなかった後ろめたさはありますが、指導していただいた1人として追悼したいと思います。大変お世話になりました。ありがとうございました。