岩手県こころのケアセンターの派遣医師として参加しました(後編)。

2日目は、大槌町に移動して、大槌町役場内の健康相談室で職員のメンタルヘルスをサポートする役割でした。

大槌町役場は、東日本大震災による津波で全壊しましたが、被災当日、役場内で災害対策会議をされていた町長をはじめ、多くの幹部職員が犠牲になりました。そのため、全国自治体から応援として入られる役場職員が多く、町作り復興を担う重責、過重労働、慣れない環境、家族と離れて単身赴任生活、ストレス負荷が強い状況の下で勤務されている職員が大勢いらしゃいます。メンタルヘルスの不調、早期発見、早期介入、適切な対応が必要とされ、職員サポートの体制が整えられてきました。

健康相談室の看護師さんは、震災の時、県立大槌病院で勤務中だったとのことです。津波が押し迫る中、入院患者さんを屋上に避難させ、極寒の屋上で重症患者さんの看護をされたお話を聞きました。人工呼吸器を使用していた患者さんの換気バックを交代で押し続けたそうです。

帰りに、大槌町の海を見て帰りましたが、すごく静かで波も穏やかでした。大槌町の沖合の島が、ひょっこりひょうたん島のモデルだと教えてもらいました。

派遣ということで、仕事として被災地に入った訳ですが、自分自身を見直す時間にもなったと思いました。今、自分が出来ることをやっていく、それは被災地に住む人も同じだと思いました。